甲状腺機能低下症(橋本病)

甲状腺機能低下症(橋本病)

甲状腺機能低下症とは

疲れやすい

甲状腺は首の真ん中あたりの喉仏の下にあり、神経・活動の調整をする役割を持ち、新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンを分泌する働きをしています。
このような大切な役割があるため、甲状腺に何かしらの異常が起こると身体に様々な不調が現れます。
日常で現れる倦怠感・浮腫み・無気力などの症状は、単に不調が起こっていると放置しがちですが、適切な検査・診断を行うことで症状の改善に繋がります。
甲状腺機能低下症は、血液中の甲状腺ホルモンが低下することで起こり、橋本病が代表的な疾患です。疾患によって治療法が異なるため、専門医を受診し適切な診断を受けることが大切です。

橋本病とは

橋本病の由来は、九州大学の橋本策博士が医学雑誌に世界に先駆けて橋本病に関する論文を発表したことにあります。好発年齢・性別は、20歳代後半~40歳代で女性となっており、甲状腺ホルモンが不足することで新陳代謝が悪くなることで様々な体の不調が現れます。主な症状に更年期障害・うつ病と類似したものが起こり、内科で一般的な検査を行っても橋本病と診断できないことが多い特徴があります。
そのため、原因不明の体調不良に長い間悩まされる疾患となります。専門医による検査を受け、適切な治療を受けることで甲状腺ホルモンが正常値になり、症状が改善します。
長い間、体調不良にお悩みの場合は内分泌専門医を受診することをお勧めします。

橋本病の原因

橋本病は、甲状腺に慢性的な炎症が起こり慢性甲状腺炎とも呼ばれています。主な原因に自己免疫疾患があり、甲状腺の細胞が障害する物質によって阻害されるために甲状腺ホルモンの産生がうまく働かなくなり、甲状腺機能低下状態に陥ります。

橋本病の症状

  • 首の腫れ
  • 倦怠感、無気力、だるさ
  • やる気が出ない
  • 食欲がないものの、体重が増加する
  • 身体が重いと感じる
  • 身体の浮腫み
  • 喉の違和感
  • 眠気が取れない、昼間も睡魔に襲われる
  • 流産
  • 居眠りする
  • 寒がり、身体が冷えやすい
  • 皮膚の乾燥、カサつき
  • 皮膚の掻痒感
  • 便秘しやすい
  • 月経量の増加
  • 月経期間が長い
  • 不妊

橋本病の検査と診断

橋本病を検査・診断する上で、血液検査・心電図検査・甲状腺超音波検査を行います。診断基準には甲状腺の自己抗体・甲状腺の硬さ・超音波検査でのエコーレベル・甲状腺全体に広がるびまん性甲状腺腫の有無・甲状腺ホルモンのTSH値などを参考にします。

橋本病の治療方法

甲状腺機能が低下している場合、不足している甲状腺ホルモンを補充するための薬物療法を行います。
また、甲状腺機能が正常であっても甲状腺が大きく腫れている場合にも、甲状腺ホルモン薬を処方することがあります。

薬物療法

甲状腺ホルモンが不足している場合、ホルモンを補充するために甲状腺ホルモン薬を服用する治療法です。